解離というのはとても不思議で興味深い防衛の仕方だなと思っています。

解離の症状を持っている本人にとっては解離している状態が普通の状態になっていて、他の人はそうではないということを知らない場合もあります。
耐えきれないほどのストレスが掛かったときに、自分から自分を切り離すという防衛は、その時にはどれだけ役に立ったんだろうと思います。
解離があったから今まで生きてこられた、そういっても過言ではありません。
今、解離で悩んでいたり、苦しくなっているあなたも、解離はあなたを守ってくれていたものなんだって、そんな風に解離をとらえて欲しいなと思います。

私も解離の症状がかなり強くありました。
分かれた自分（パーツとも言います）を丁寧に癒していき統合していく。その作業を数年かけて行ってきました。
 

かつてあった離人感（自分がここにいない感じ）も現実感消失も、自分が体に入っていないことが気持ち悪くて自分の身体に少しでも戻るために手をつねっていたこともありました。時間軸が直線ではなく、ふわふわしてここにいることは頭ではわかっているのに、ここにいない感覚。そして、そこから抜けることなんてできないという感覚。

今はそれらの症状はありません。
今ここにいる感じがしているし、世界は危険な場所ではなく、世界は美しく鮮やかに見えるようになりました。
植物の緑が、花の色がとてもはっきりと見えるようになりました。

自分の中にある傷つきやトラウマを見つめて癒して統合していく。
その作業を繰り返していくことによって、世界は安全な場所となっていき、自分が自分に戻っていく割合が増えていきます。

あなたの症状もよくなります。
地に足をつけ、自分自身を感じ生きていけるようになります。
かつての防衛を手放し、今ここにいることができるようになることで、不安や恐れや不安定さの闇の中て手探りで生きているような感覚から抜けて、今まで体験したことのない穏やかな感覚を味わうことができるんだと思っています。